キャリア&スキルアップ
  • 公開日:2023.02.09

未経験の業種に転職する薬剤師が知っておきたい3つのこと

未経験の業種に転職する薬剤師が知っておきたい3つのこと

転職しやすい職種としにくい職種、転職成功の秘訣、未経験転職にまつわるQ&A。薬剤師が未経験で転職する際に知っておくべき3つのポイントをご紹介します。

未経験でも薬剤師が転職しやすい業種としにくい業種

大手ドラッグストアや薬局は未経験者を積極的に採用するといわれていますが、急性期病院や大学病院、製薬会社などに未経験者が転職するのは難しいのでしょうか。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

未経験転職しやすい職場1. 大手ドラッグストアチェーン

ドラッグストアではOTC医薬品の販売やお薬の相談対応などが中心のため、経験がなくても比較的スムーズに勤務を開始することが可能です。

調剤ルームを併設しているドラッグストアも増えており、その場合は調剤業務や服薬指導などにも対応します。

調剤ルームの有無が店舗によって異なったり、医薬品販売と調剤を担当する薬剤師を分けて採用している場合もあるため、転職を検討する際は注意が必要です。店舗での勤務になるため、レジ対応や商品陳列などの仕事もあります。

未経験転職しやすい職場2. 大手調剤薬局

大手薬局は売上高が1000億を超えている所がほとんどで、薬剤師の賃金や待遇も安定しています。また、子どもの傷病時の特別休暇やべビーシッターサービス、長期休暇の取得制度や借り上げ社宅の提供など福利厚生も手厚いところが多く、基本的な研修・教育制度はもちろん、在宅医療や認定薬剤師などの育成にも力を入れています。

大手薬局は全国に店舗を増やしているため、新店舗の立ち上げに参加できる可能性があったり、エリアスーパーバイザーやエグゼクティブスタッフを目指すこともでき、キャリアアップできる道が開けています。

未経験転職しにくい職場1. 急性期病院または大規模国立病院

急性期病院や大規模な国立病院は新卒の入社希望者や経験者の入社希望が多いため、狭き門と言えます。

特に国立病院は同じ大学から集められる場合が多く、外部採用が行われるケースは極めて稀。そのため採用募集は不定期で、内容を把握するのが難しくなっています。

急性期病院はそもそもの数が限られており、求人数自体が少ない傾向。慢性期病院と異なり緊急性の高い治療がメインのため、未経験者向けの研修や教育に割く時間はあまりなく、即戦力が求められる環境です。

未経験転職しにくい職場2. 企業内薬剤師

土日祝休みが多く安定した収入を得られるのが魅力の企業内薬剤師。企業内での薬剤師の働き方はさまざまありますが、研究職やDI室での薬剤管理が主になります。高待遇であるため一度就業した薬剤師が辞めることも少なく、競争率はかなり高め。それゆえ、経験やキャリアが豊富な薬剤師が採用される率が高く、未経験者にはハードルが高い転職先だといえます。

異業種転職を未経験で成功させるためのポイント

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未経験の業種に転職する際に、薬剤師が検討しておきたい注意点や習得すべきスキルについて説明します。

転職条件の優先度を決める

まず考えなければならないのが、将来的に薬剤師としてどのように働いていきたいのかということ。

例えば「家庭や子育てと両立しながら地域医療に貢献したい」という希望がある場合、いくら高収入であっても転勤が多い職場は選択肢から外せざるを得ません。

「チーム医療に関わりたい」という希望がある場合は院内薬局が有力候補になりますが、採用は狭き門であることが多いため、在宅医療や地域連携薬局に力を入れている調剤薬局を視野に入れるといった方向転換が求められることもあるでしょう。

薬剤師として理想とする職場と、勤務時間や休日、賃金といった条件面。それぞれについて自身の希望を洗い出し、何を優先するか順位付けをしておくと、後悔しない選択ができるでしょう。

調剤スキルを身につける

調剤スキルがあれば薬剤師としての基本的な専門性や知識があると評価されることが多いため、転職前に十分な調剤スキルを身につけておくと、調剤業務が主ではない職場であっても転職に有利になります。

例えば、医療分野の研究をコーディネートする専門家である治験コーディネーター(CRC)は被験者に薬を適切に処方する責任があるため、調剤スキルの有無やそのレベルが採用時に参考となる基準の1つとなります。

一定水準以上の調剤スキルを習得することは、薬剤師としての自信にも繋がるでしょう。

転職したい業種の情報収集

未経験の業種への転職を検討する際には、具体的な仕事内容やワークフロー、出張や転勤、残業の有無、休暇や福利厚生など、勤務の実態から条件面まで幅広く情報を収集しましょう。

情報収集は、転職後に「こんなはずじゃなかった...」と後悔しないためであるのはもちろん、自身の経験やスキル、これまでの働き方と照らし合わせ、実際に働くイメージを膨らませるためにも重要。経験したことがないからこそ、「自分に合っているか」「自分にはできそうか」をシミュレーションして選択することが成功の秘訣です。

薬剤師専門の転職サービスを活用する

未経験の業種に転職を希望している場合は、転職サービスを活用するのも有効な手段のひとつ。転職サービスでは、多くの薬剤師の転職をサポートしてきたコンサルタントが一人ひとりの条件に合った職業を提案してくれます。

未経験の職場が自分に適しているかどうかアドバイスが貰えたり、職務経歴書の書き方や面接対策といったフォローを受けられたり、さらに勤務形態や給与といった条件面の交渉も代行して貰えます。

無料で利用ができるところがほとんどなので、まずは一度相談してみましょう。

薬剤師のための未経験転職Q&A

未経験の業種に転職したいと願う薬剤師からの疑問をQ&A形式でまとめました。

未経験の転職希望者に多い転職理由とは?

薬剤師が未経験業種へ転職したいと思う理由は以下のようなものが多くなっています。

・異業種に挑戦したい
・スキルアップしたい
・年収に不満がある
・職場環境に不満がある

現職への不満だけでなく、薬剤師としての領域を広げ、経験やスキルを得たいという前向きな理由が多く見られます。

転職に年齢制限はあるの?

薬剤師の転職には明確な年齢制限はありません。国家資格が必要な専門職であることに加えて、人手不足による薬剤師の需要は一定数あるため、年齢に関わらず転職がしやすい仕事となっています。

しかし、年齢が上がるにつれて高い専門性が求められるようになってくるため、20代~30代のうちに調剤スキルなどの習熟や専門資格の取得をしておくのが得策でしょう。

業種や企業規模などによって、経験やスキルを重視する場合もあれば、将来性を見越して長く働いてくれる方の採用を優先している場合などもあります。

年齢よりも、どういった薬剤師が求められているのかという点を意識することが大切です。

ブランクがあっても転職できるの?

原則として6年制の薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格した者のみがなれる薬剤師は、誰でもすぐになれる職種ではありません。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2022年12月の薬剤師の有効求人倍率は3.26倍(「医師、薬剤師等」※パート除)。ドラッグストアや薬局の出店が相次ぎ、薬剤師のニーズが高まっていることから売り手市場が続いています。

一定数の資格取得者しか就くことができない職種であり、求人倍率も高い推移を保っていることからも、薬剤師資格を持ちながらも、「薬剤師として従事していない人」が採用される可能性は高いと言えるでしょう。

【転職事例も紹介!】未経験業種への転職をスムーズに進める方法

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同じ薬剤師とはいえ、業種が異なれば業務内容も変わります。これまでの経験が活かせるのか、働き方がどう変わるのかなど、新しい環境への転職は期待と同時に不安も大きいものです。

また未経験業種は実際の仕事をイメージしにくいこともあり、なにが正しい情報なのか、最新の情報なのかの判断も難しくなります。

そういった場合には、薬剤師業界の転職動向に詳しいコンサルタントの力を借りられると安心です。

薬剤師に特化した転職支援サービス「ファルマスタッフ」でも、医療業界専任のコンサルタントが転職活動をサポート。実際に未経験業種への転職を成功させた事例も豊富にあります。

未経験業種の転職事例1(33歳・男性)

妻の仕事を手伝いながら働いていたのですが、残業が月40時間を超えている状態で並行することに難しさを感じていました。また現職の研究・品質管理の仕事よりも、実際のお客様の顔を見られる仕事がしたいと考えていたことも、転職のきっかけです。

ファルマスタッフさんにご紹介いただいた職場では、実際に残業が減り家族との時間を大切にできています!加えて、自身のキャリア志向と社長の求める人物像に合っていたようで、キャリア形成に向けた意欲が非常に高まりました。

未経験業種の転職事例2(27歳・女性)

新卒で臨床開発モニターとして勤務を始めて、スキルアップのために一度転職をしました。同じ臨床開発モニターでしたが、転職先は想定以上の激務で退職することに。

この機会に家庭と両立がしやすく安定して働ける臨床現場での勤務、かつパートでの就業を希望して転職活動を始めました。ファルマスタッフさんから週4日勤務・19時で上がれる職場を紹介いただき、いまでは自分のペースで働くことができています!家庭とのバランスもとれているので、長く働いていきたいです。


転職を支援してくれるサービスはいろいろありますので、自身の興味やキャリアを考えながら、自分にあったサービスがどれなのか、ぜひ調べてみましょう。

例えば、ファルマスタッフでは転職相談から面接対策、入社までのすべてを無料で利用できるという特徴があります。未経験業種への転職活動をよりスムーズに進めるために、業界に精通している転職支援のプロを頼ってみてください。

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ファルマラボ編集部

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記事掲載日: 2023/02/09

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